我が家には、金柑とサンショウの木があり、頻繁にナミアゲハが卵を産みにやってきます。
昆虫が大好きな息子(5歳)は、もちろんナミアゲハも大好きです。
卵からかえった幼虫を毎日観察し、かわいがっています。
そのうちの1匹のナミアゲハの幼虫がさなぎになったので、いつものように羽化を心待ちにしていました。
「そろそろかな?まだかな?」なんて言いながら、さなぎのいるケースをのぞいてみると、なんとさなぎが黒っぽく変色しているではありませんか。
「死んじゃったのかな?病気だったのかな?」「あんなに大きくて元気だったのにね」なんて親子で話しながら、飼育ケースの中をよく見ていると・・・
飼育ケースの底に、なぞの小さな黒いつぶが転がっていることに気がつきました。
なんと、なぞの小さな黒いつぶの正体は「ナミアゲハに寄生した寄生虫のさなぎ」だったのです。
今回は、ナミアゲハが蝶になれなかった原因である寄生虫「ヤドリバエ」についてと、寄生されないための対策についてお話ししようと思います。
- ナミアゲハの飼育に挑戦しようと思っている
- ナミアゲハを外で飼うリスクについて知りたい
- ナミアゲハの寄生虫に興味がある
という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ここから下は、けっこうグロテスクなヤドリバエのさなぎと、お亡くなりになったナミアゲハのさなぎの写真が出てきます
苦手な方は注意してくださいね
我が家のアゲハ蝶の幼虫の育て方を知りたい方は、下の記事を読んでみてください♪
さなぎから出てきたのは寄生虫だった
黒っぽく変色してしまったさなぎは、体液がにじみ出て、中身がからっぽになっていました。
もともとはきれいな緑色をしていました。
そして、飼育ケースの底に落ちていたちいさな黒いつぶがこちらです。
これが、ナミアゲハのさなぎの中身をからっぽにしてしまった犯人(寄生虫)です。
寄生虫の正体は「ヤドリバエ」
調べてみると、この小さな黒いつぶの正体は寄生虫でした。
もう少し具体的に言うと、ヤドリバエのサナギでした。
ヤドリバエはナミアゲハに寄生する代表的な寄生虫ですが、おそろしいことに、この虫がさなぎの中を食べ尽くし、さなぎのからを破って出てきたのです。
おそらく、ヤドリバエがナミアゲハのさなぎから出てきた時点では白いうじ虫だったはずですが、発見が遅れたため、見つけた時点ではすでにさなぎになってしまっていました。
ヤドリバエは小さな卵をアゲハ蝶の食草に産み、アゲハ蝶の幼虫が食草とヤドリバエの卵を一緒に食べることで寄生します。
もっと詳しく知りたい方は、「おたま日記」さんの動画「アゲハ観察日記」をご覧ください。
「おたま日記」さんは、当サイトでもオススメYouTubeチャンネルのひとつとして紹介しています。
小さな子どもでも安心して見ることができますよ。
息子はこの動画を見て、アゲハ蝶についての知識を蓄えてきました
ナミアゲハが寄生されないための対策
ナミアゲハの幼虫への寄生は、
- 室内で飼うこと
- 外で飼う場合は木にネットを被せること
- 幼虫にあたえる葉っぱをきれいに拭くこと
で防ぐことができます。
しかし、主観ですが、家事や育児の合間にここまでの手間がかけられるのか?というと、正直むずかしい気がします。
手をかければかけるだけ、寄生虫の被害は少なくなるとは思います。
しかし、慣れない虫のお世話で時間や心に余裕がなくなると「次からは絶対やりたくない!」と親が思ってしまうことにつながり、虫好きの子どもをサポートすることが苦痛になってしまいます。
私なんか未熟な母親ですから、自分がイライラしないためにも虫のお世話はできるだけ楽に済ませたいのです。
なので我が家は「寄生されてしまったら、それはそれで仕方がない。自然とはそういうものだから」と考え、開き直って自然のなかで育ててしまっていますが、寄生されることを防ぎたい場合は、上であげた3点に気をつけて飼ってみることをオススメします。
まとめ
アゲハ蝶の幼虫を育てていると、いろいろなハプニングがあります。
卵からかえったばかりなのに病気か何かで死んでしまったり、鳥に食べられてしまったのか何匹か忽然と姿を消してしまっていたり、今回のように寄生されてしまって命を落としてしまったり・・・
数々の試練を乗り越えたものだけが、蝶になることができるんですよね。
息子もヤドリバエの寄生にはショックを受けていましたが、寄生ハエの存在を目の当たりにし、寄生虫にもますます興味がわいたようです。
親である私自身は、寄生虫は不気味でハッキリ言って生理的に受け付けないのですが、彼らも将来まで種を残すための工夫をしながら進化をし、私たち人間と同じように一生懸命生きているんですよね。
ナミアゲハを羽化させることには失敗してしまいましたが、「こんな世界もあるんだな。生きものが生きていくって奥が深いな」とまたひとつ視野が広がる経験になりました。
ぜひ、みなさんも怖がらずにナミアゲハの飼育に挑戦してみてほしいなと思います。